【企画概要】
日 時:2022年12月3日(土)14時半~15時半
演 題:「外国にルーツをもつ子どもたちと学校教育-学校の中で、私たちにできることとは」
講 師:田中 宝紀 様(NPO法人青少年自立援助センター)
司 会:福嶋 尚子(千葉工業大学)
<講 師>田中 宝紀(Iki Tanaka)
1979年東京都生まれ。16才で単身フィリピンのハイスクールに留学。 フィリピンの子ども支援NGOを経て、2010年より現職。「多様性が豊かさとなる未来」を目指して、海外にルーツを持つ子どもたちの専門的日本語教育を支援する『YSCグローバル・スクール』を運営する他、日本語を母語としない若者の自立就労支援に取り組む。 日本語や文化の壁、いじめ、貧困など海外ルーツの子どもや若者が直面する課題を社会化するために、積極的な情報発信を行っている。2021年:文科省中教審初等中等分科会臨時委員/外国人学校の保健衛生環境に係る有識者会議委員。
<参考ウェブサイト>
<参考書籍>
【書籍】海外ルーツの子ども支援 文化・制度を超えて共生へ
・田中 宝紀(著)
・A5判 164ページ 並製
・定 価 2,000円 + 税
・ISBN978-4-7872-3488-9 C0036
・書店発売日:2021年05月25日
・登 録 日:2021年04月01日
紹介
日本の学校で学ぶ海外ルーツの子どものうち、1万人以上が何の支援もない状態にある。地域ボランティアたちによる日本語教室の活動にも限界が迫るなかで、日本語を母語にしない子どもたちへの支援活動を続けてきた経験に基づいて現場の実態と提言をまとめる。(引用元:青弓社ウェブサイト『海外ルーツの子ども支援』)
<『海外ルーツの子ども支援』 感想>
日本教育事務学会会員 肥塚 敏弘(岡山県・吉備中央町立加賀中学校 事務職員)
本書には、海外ルーツの子どもたちの現状や課題が大変わかりやすくまとめられているとともに、著者が支援の現場で得た貴重な経験の数々が収められている。私自身は今まで学校で働く中で、そうした子どもと関わる機会があまりなかったが、本書を通して、海外ルーツの子どもたちの厳しい現状を知ることができた。そして、「やさしい日本語」の活用などを通して学校事務職員の立場からもそうした子どもたちの支援に関わることができると感じた。共生社会の実現に向け、私のような学校事務職員を含め、海外ルーツの子どもたたちに関わる全ての人々が、現状をまずは「知り」、少しずつ「行動」に移すきっかけとなる一冊である。
【企画趣旨】
本委員会は、外国にルーツをもつ子の修学や権利保障に関わる状況について学ぶ中で、彼らが通う公立の小中学校における修学支援事務や自治体の制度において踏まえるべき視点、学校事務職員が身につけるべき知識、とるべき姿勢について考察を深めてきた。修学支援の具体的な取組として当初は、経済的保障や家庭支援といったところを想定していたが、外国にルーツをもつ子どもたちの現状を知るにつれ、学力保障、日本語指導、民族教育のための条件整備や進路保障をも含めた「修学」の視点の重要性など、彼らの教育を受ける権利保障という観点から広く教育事務の在り方をとらえていく必要性を認識した。
そこで、本企画においては、『海外ルーツの子ども支援 言葉・文化・制度を超えて共生へ』( 青弓社、2021年)の著作をおもちの田中宝紀様をお招きし、「外国にルーツをもつ子どもたちと学校教育-学校の中で、私たちにできることとは」という演題で、ご講演をいただく。田中様は、NPO法人青少年自立援助センターにて事業責任者としてYSCグローバルスクールを経営し、あらゆるニーズをもつ子ども・青少年たちの学びたいという気持ちに応える場(「日本語学校」×「フリースクール」×「塾」)を提供してこられた方である。また、経済的に厳しい家庭の子どもたちの学ぶ権利保障のために、「学内奨学金」の仕組みをスクールとしても整備しておられる。
本企画は、田中様のご講演を受け、参加者からの質問や意見、感想を、限られた時間であってもリアルタイムで幅広く出してもらえるよう、現地参加の場合は紙上で、リモート参加の場合はフォームでの質問・意見・感想を受け付ける予定である。いずれの参加方法であっても、ぜひ主体的に企画に参加していただき、外国にルーツをもつ子の権利保障について考え、学校内で実現していくための有意義な時間としたい。
【講師への感想・質問について】
講師への感想・質問などありましたら、Web回答フォーム、または当日配布する紙媒体にてご自由にご記載ください。
企画中に時間のある限り取り上げさせていただきます。
<講師への感想・質問について>
・Web回答フォームはこちらをクリック
・左のQRコードからもアクセス可能です。
日本教育事務学会 第10回大会 国際交流委員会企画へ多くの方がご参加されることを心よりお待ちしております。
国際交流委員一同
Commenti